第15回「故郷の歴史同好会」の報告    

 

日時:2019210日(土)15:00~18:00

 

 

テーマ:「上田はなぜ『蚕都』になれたのか?」(発表:尾和剛一氏)

場所:湯島「味の上田」

会費:4,500

参加者(敬称略):尾和剛一、小林慶三、山口操、高橋福幸、宮原清明、櫻田喜貢穗、沢村良江、山本修士、宮原豊 

 

尾和さんは、201611月第6回の同好会で「青木村の養蚕業」と題してお話しいただきました。今回はそれに続く蚕糸業(蚕種、養蚕、製糸)をテーマとした話題で、何故長野県が蚕糸王国と言われるほどに蚕糸業が盛んになったのか、明治時代から昭和にかけて常に他県を引き離して首位の座を占めることが出来たのか、乾燥気候、桑の葉の特徴、豊かな地味などの自然条件から、国内に3校開学された蚕糸専門の高等学校のひとつが上田に設立され、熱心に教育・人材育成教育に取り組んだこと、また、塩尻辺りは江戸時代から蚕種業が盛んになり、信州上田辺りは全国に蚕種の本場であることが知られていましたが、上田市塩尻辺りの地場産業としての蚕種・養蚕が長野県全域に広がり、明治時代の殖産興業の頃には諏訪や岡谷が製糸業の中心になって行ったことを学びました。蚕種業や養蚕業は青木村にも大きな影響を及ぼしたことが分かります。尾和さんは、まだ蚕糸業について話すべきネタが沢山あるが、続きはいつか次回のお楽しみということで、質疑応答、懇親会へと移りました。豪華な

食事とお酒、多種類の焼酎(お値段以上・・・)新年の初会合を楽しみました。

 

その日は朝から雪が舞う寒い日でした。「午後からもっと降り、夜半には東京都心でも相当の積雪がある」と予想されましたが、9名の参加者を得て、予定通り開催されました。雪は、千葉方面はかなりの積雪があったものの、幸いにも東京・神奈川・埼玉方面の積雪はそれほどでもなく、午後6時過ぎには「滑って転ばないように」とお互いに声を掛け合いながら散会いたしました。

 

 

次回の第16回は、511日(土)、第17回 817日(土)、第18回 1130日(土)まで開催予定日が暫定的に決められました。 
 その後のテーマ(案)として、その後のテーマ(案)として、「青木村の一揆(天和、享

保、宝暦)」(宮原豊)、「栗林一石路について」(小林慶三氏)、「栗林一石路の俳句

(宮原清明氏)、「明治2年の上田騒動:上田全藩に及んだ世直し一揆について」(櫻

田喜貢穗氏)、「中仙道を歩いて」(山口操さん)と続きます。

(連絡係:宮原豊)

 

第14回 故郷の歴史同好会

 

日時:128日(土)15001800 

テーマ:「民話と青木村」、報告者の宮原清明氏

発表者がずっと温めておられた内容で、大変面白く楽しい講話でした。

 

青木村有線放送15年記念に有線放送を担当していた沓掛昭典氏がまとめた「青木村の伝説と民話」(絵:高柳強、題字:若林清)をもとに青木村の各村落に伝わる民話を紹介いただきました。

「石いも(沓掛)」は子供の頃に聞いたことのある話でした。おばあさんが弘法大師に「このいもは石のように固いから食べられない」と嘘をついたら、それが本当に石のように固いいもになってしまったという。「意地悪なおばあさんがいた」ということと、「嘘をついたらいけない」という話なのかと記憶していました。弘法大師の霊験は強く、今も沓掛温泉には固いいもが産するそうです。

しかし、沓掛温泉駅のその場所は冬でも水温が高く、全国でほとんど絶えてしまった縄文時代からの野生のサトイモが今に生き残っている自生地であり、青木村では県の天然記念物として増殖・保存に努めているそうです。と言うことは、おばあさんは弘法大師に本当のことを言った正直者と言うことになりますね。

講師による「きつねの嫁入り」(夫神)や「ほとけ岩」(村松)の読み語りで何か子供の頃に帰ったようないい気持にさせられましたが、集落の気候・風土により民話の話題がそれぞれに特徴があるという分析は大変面白く、柳田国男、折口信夫、小野和子という民俗学者、国文学者、児童文学者の「民話」に関するエピソードを要領よく紹介いただき、最後に青木三山を大和三山(万葉集1巻中大兄皇子)になぞらえた宮原清明さん作の歌が紹介されました。「十観は 子檀おしと 夫神山と 相争いき 神代より かくあるらし いにしえもしかあれこそ うつせみも妻を争うらしき」

 今回は平成最後平成30年(2018年)の忘年会でした。料理も「味の上田」名物の鍋料理を始め大変おいしくて、橋詰さんからの上田・柳町の岡崎酒造「亀齢・生しぼり」の差し入れもあり、懇親会も大変盛り上がりました。

 

なお。次回は201929日(土)、テーマは「上田はなぜ蚕都になったか?」(発表:尾和剛一氏)です。明けて改めてご案内します。

その後のテーマ(案)として、「青木村の一揆」(宮原豊)、「栗林一石路について」(小林慶三氏)、「栗林一石路の俳句」(宮原清明氏)などが列挙されています。

 

第13回 故郷の歴史同好会

 

 日時:9月22日(土)15:00~18:00

参加者:次の10名でした。山口様、沢村様、丸山様、高橋様、尾和剛一様、小林様、尾和弘様、櫻田様、山本様、宮原

場所 湯島「味の上田」

テーマ 「長野県人のルーツ」(報告:高橋福幸様)

 

1、発表レジメ「我々信州人の先祖は?」に基づき、スケールの大きな話を要領よく45分でまとめていただき、後は飲みながらの歓談・質疑に移りました。知れば知るほど興味の尽きない「歴史」を見る視点を提供していただきました。話は壮大で多岐に渡りますので、私の能力ではうまく要約することは出来ませんので、添付の資料をご参照ください。ただ、自分なりに特に印象に残ったものを備忘録として書き残します。

 

2、「島国日本は吹き溜まり人種」である。人々は戦いに敗れると山岳に逃げて来るので「山岳県信州は更に吹き溜まり県である」。

列島は、南方系土着民に加えてチグリス・ユーフラテスに源を発するアイヌが沖縄に上陸して北進。全国各地の(信州にも)地名に痕跡が残されている。日本民族の基礎は縄文時代に築かれたが、中国歴代王朝は長江以南を領有するために屯田兵を送り込み、土着民が難民として海路を日本列島に押し寄せる(弥生時代)。

南方民族(安曇族)が筑紫、出雲(出雲大社)、安曇(穂高神社)、塩田(生島足島神社)、諏訪(諏訪大社)と信州に移り住んだことが分かる。

 

3、中央アジアの遊牧民ツングース(コシ)は戦いに敗れて海路日本に逃れてくる。コシは騎馬戦を得意とした。日本海側に住んだが、馬の飼育のために信州(特に北信)に来た。時代は7世紀、大乱勃発(大化改新(645年)、白村江の戦い(663年)、壬申の乱(672年)と続く)。騎馬は重要な軍需産業。信州騎馬軍団(コシ族?)が壬申の乱で天武天皇に付き圧勝。科野遷都計画(684年)もあった。中国派(唐)・藤原氏が勝利し、以降、藤原は公家、朝鮮派(百済)や土着を差別した(藤原氏文書)。

 

4、大宝律令(701)の意味は、「狩猟を止めて定住し、稲作を行い、税金を納める。反対する者は夷人。信濃の国は東山道に属し、軍道(東山道)が整備され、御牧(馬の飼育牧場)と軍事基地(兵の集合場所)が設けられた。日本列島全体を統一(征服)するために、軍馬飼育を得意とするコシ族が利用された。日本の歴史の中で、コシ族と騎馬軍団が信州の歴史に大きく関連している。

 

・難民が大陸や半島から押し寄せてきて、先住民を支配。古代において、騎馬・弓矢といった当時の最新兵器・武器(戦争の仕方・技術)が歴史理解のために重要なキーワード。中世の「鉄砲」にも通ずる。

・古代において、既に大陸や半島とは極めてダイナミックな緊張関係にあり、これは現在にも通ずるところがある(油断できない)。

以上、自分なりの備忘録とします。ご参考まで。

 

次回は 12月8日(土)1500~、「民話と青木村」(報告:宮原清明様)を予定しております。11月中旬にあらためてご案内いたします。宮原清明様、よろしくお願いいたします。 

それ以降のテーマについて、皆さまも候補を考えておいていただきますようお願いいたします。

また、東京青木会100周年記念文集への投稿についてお願いいたしました。明日(924日)に第2回編集委員会を開催いたしますので、またあらためましてお知らせいたします。

 

連絡係・宮原豊

 

追伸:沢村良江さん、昨日は私の誕生だったので、お祝のケーキを用意いただき恐縮です。70歳にもなり、子供の頃の誕生日のように嬉しいものだと知りました。皆さまもケーキにお付き合いいただきありがとうございました。また、タチアカネ(蕎麦)の〆(しめ)はよかったです。橋詰さんに感謝。

 

 

第12回 故郷の歴史同好会について

 

日時:7月21日(土)15:00~18:00

テーマ「分教場の頃の思い出と青木村の教育」(山口操さん)

出席:11(敬称略) :山本()、尾和()、金谷、小林、尾和()、山口、宮原()、高橋、櫻田、沢村、宮原()

 

山口さんが分教場の子供時代の思い出をよく記憶されておられることに驚きました。
また、江戸時代から信州は寺小屋教育が盛んであり、青木村の寺小屋も明治の学制に引き継がれたこと、その後の学制変遷にどのように対処していたか、戦後の教育、分教場の廃止などなど、興味深く勉強になりました。
義務教育に移る時に、一部に農業のお手伝いはどうするのか心配の声が上がったとのことでしたが、そう言えば「農繁期の休校があったこと」を懐かしく思い出させてもらいました。今もあるのでしょうか?

次回は、922()の予定です。高橋さんから「長野県人のルーツ」について話していただきます。
次の次は宮原清明さん「民話と青木村」まで予定されていますが、その後のテーマについてもそろそろ考えておいてくださいますようお願いします。

追伸(再掲):今回欠席の増田菊男様からのメッセージがありました。ご関心のある方は増田様にご連絡してみてください。

「皆様、私が育てている種類で ヒカゲツツジ、老爺柿、ウグイスカグラ、ムベ、グミ、さるなし、ケヤキ、ゆすら梅、夏椿、山ツツジ(かがり火、大文字、朝鮮山つつじ他)、孔雀椿にご興味があって育ててみたい方がおられましたら差し上げます。樹種などはネットで調べてみてください。ご連絡ください 。増田菊男」